クリニック・薬局における医療スタッフの人材不足

訪問・在宅系や介護系サービスへの人材の流出

ここ1年ほど、クリニックや薬局で看護師や理学療法士、薬剤師などの医療スタッフ(医療資格者)の採用が非常に難しくなっています。

人材紹介会社の方の話によると、看護師は訪問看護、理学療法士は訪問リハなどの介護サービスに流れていて、クリニック志望者の数自体が2~3年前に比べて大幅に減っているとの事。
薬剤師は、在宅専門薬局や2024年(令和6年)7月に開始したAmazonファーマシーの薬剤師募集へ流れている状況があります。

クリニックや通常の薬局に比べ、時間に融通が利いたり、給与が良かったり、待遇が良いところが多いようです。

特に整形外科では理学療法士の数が施設基準や収入に直結しますので、非常に厳しい状況が続いています。

医療スタッフから選ばれるクリニックになるためには

志望者自体が減っている現状では、採用する為には、他のクリニック・薬局に比べて優れているところがないと医療スタッフから選んでもらえません。この「選ばれる」という感覚がない先生方も多いのではないでしょうか。

これからのクリニック経営では、医療スタッフから「選ばれる」ためには何が必要か、を考えないといけません。

労働関連の法令を守ることはもちろんですが、就業規則の整備(きちんと閲覧できるように)、研修の為の休暇、リフレッシュ休暇、ハラスメント防止教育、ペイシェントハラスメント対策、などなど、大手の企業並みの福利厚生・教育体制が求められてくると思います。

クリニック・薬局においては、上記を実践しているところはまだまだ少ないです。
他がまだ実践していない今だからこそ、上記のような体制を整えることは他との差別化になります。

人件費としての支出は多くなりますが、人件費や教育費用の増加により使える税額控除、ハラスメント防止対策には補助金もありますので、専門家に相談しながらうまく利用してはいかがでしょうか。

医療スタッフが働きやすい職場環境を整えることは、これからのクリニック・薬局経営にとって必須となるでしょう。